50 砂糖からみるフェアトレード
今、砂糖の歴史について学んでいます。これがもう壮絶な内容なのですが、あの悪名高い奴隷貿易が、現代も形を変えてまだ続いている、となるとどうでしょう?
にわかには信じがたいことですが、実際にあの頃とたいしてかわらぬ環境で働かされている人々のお陰で私達の口に砂糖が入るとしたら。。。以前、カリブ海をまわる豪華客船で働いていた英国人が、”カリブに住む白人たちにはうんざり。彼らはまだ300年前を生きているの。”と話してくれたことがあります。それを聞いて、まだ植民地を支配している感覚なのかな、とぼんやり考えていましたが、Big Sugarというカナダのドキュメンタリー番組を見て、ようやくその意味がわかりました。
砂糖は、大きく分けて2種類あります。サトウキビから作られたCane Sugarと、砂糖大根から作られたてんさい糖Beet Sugarです。サトウキビはご存じのようにカリブなど亜熱帯〜熱帯でないと育ちません。又サトウキビの生産は、その土地の栄養分をかなり奪い取るので土地を疲弊させ、その刈り取りには未だに多くの人手を必要としています。
ドミニカ共和国にはアメリカの砂糖会社が広い農場を持っていますが、そこで働く人々はお隣の世界最貧国のハイチから集められ、農場につくやいなやパスポートは取り上げられ、掘立小屋に寝泊まりしながら、午前10時にはすでに摂氏35度を超え、真昼間には50度にも達する場所での農作業を1日12時間。その長時間労働に対して支払われるのは1日たった2ドル。農場の外には出られないようにされているため、農場内にあるお店で食料品を調達しなければならないのに、そこでは何でも町のお店の約2倍の値段で売られています。重労働の労働者たちは貧困故に、1日たった1食、夕食しかとれません。馬と共有の生活用水はクリーンでないため、それを飲んで病にでもなれば、医者にかかる費用をべらぼうに請求され、大きな借金を背負う羽目に。いつもお腹をすかせているので家庭菜園をしようとすると、馬に乗って見回っている監視人がそれを決して許さない、というまるで牢獄のような生活。子供達は空腹に耐えかねてさとうきびをかじると、その固さゆえ、歯がぼろぼろに。18年ここで働いても自分の持ち物はサトウキビを切る鎌だけだ、という労働者の姿に言葉を失い、ここまでしてお金を儲ける砂糖産業の企業精神が悲しくなります(こういう企業も表面的にはチャリティに熱心)。
できる限り本当にEthicalな活動をしている食品会社をサポートしたいですね。先進国に住む私たちは、せめてできるだけフェアトレードFairtrade商品を買いたいものです。又、白砂糖への精製は、大量の廃液がでて環境にもよくない上、白砂糖は食品というより単なるカロリーだけの栄養価もないケミカルと同じです。お砂糖が必要な時はできるだけブラウンシュガーを少なめに使うようにしましょう。
今回は、人々へできるだけ高品質な良いものを届けたい、という姿勢で頑張っていらっしゃる方をご紹介します。
1)ぴよたみそ(麹から手作りのオーガニック味噌を販売。麹は、米麹、麦麹、豆麹、混合もあり、お豆は大豆だけでなく、ひよこ豆やレンティル豆など多種あり、おいしいお味噌です。郵送可。http://piyotamiso.bangofan.com/ )
2)コーエンさんの手作り豆腐(オーガニック大豆で作られたお豆腐、がんもどき、厚揚げ、おからあんこドーナツ、豆乳、おからも。新鮮なお豆腐のおいしいこと。配送可。メールアドレス:chiharu@inter-p.com )
今月は、ひじきとスモークドマカレル(燻製さば)のサラダを作りましょう。
20gのひじきをもどして水切りし、薄切りの玉ねぎ3ヶ(約400g)と一緒に、軽く塩こしょうとドライドガーリックをふって、強火でさっと炒めて冷まします。スモークドマカレル(WaitroseのHoney&Soyフレーバーがおすすめ)2切又はツナ缶をほぐしたものを加えて、マヨネーズ大さじ3〜4とホールグレインマスタード大さじ1、好みでしょうゆ・酢少々で和え、サラダクレスかロケットを最後に和えて出来上がり。前日に作るとお味がなじんでおいしいです。