

58 英国の子供達が偏食になった理由
56回より続きます。英国の子供を家に招くと、その偏食ぶりに驚かされた経験をお持ちの方も多いと思います。どうしてここまで偏食になってしまったのか。 英国でも 70年代までは、”全ての子供に温かい昼食を。” という労働党の施策で、5~16才に栄養バランスのとれたスクールミールのランチが無料で支給されていた。ところが80年、保守党のサッチャーが予算削減のため、これを廃止。栄養基準まで規制緩和したため、キッチン閉鎖の学校が増え、民営化がすすみ、自販機が設置され、スナックでお腹を満たす子供達が一気に増える。 更に、90年に調理実習が必修科目から外され、ファーストフード産業が伸びた時代、大人が料理をしなくなったことも後押しとなる。2000年代になり、太りすぎは人口の25%以上、 英国は欧州一の肥満大国に。英国の子供や若者の2割は、野菜・果物を全く食べない。04年労働党のブレアが、4-7才の子供に、午前の休み時間にフルーツ配給を開始する。ジェイミー・オリバーの活躍で(HPのコラム第21回参照)、スクールミールを改善する動きが出るも、その利用率は全国平均で4割止