19 圧力鍋を使いこなそう!
あけましておめでとうございます。このコラムを始めてからちょうど3年になりました。昨年もたくさんの方がお問い合わせを下さり、大変感謝しております。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
今月は圧力鍋についてです。私は圧力鍋を好んでよく使います。普通のお鍋に比べるとお値段は張りますが、数年に一度パッキンを取り替える程度で、一生ものだと考えると決して損はないお買い物です。
圧力鍋の仕組みは、お鍋の中に蒸気を閉じこめることで気圧をかけて沸点を100℃以上に上げるため、調理時間が普通の1/2〜1/3ですみます。お肉の煮込みはほろほろに、煮豆はあっというま、お魚は骨まで、白米・玄米はもちもちとした炊きあがりになっておいしく食べられますよ。献立のバリエーションが広がること請け合いです。薄切り肉が手に入りにくい英国ですが、これがあれば固まり肉でもへっちゃらですね。納豆作りや味噌作りにもとても重宝します。
上手に使うコツは、
1)具は大きさを揃えてお肉を先に、野菜は時間差で投入する。
2)加圧時間はタイマーできちんと測る。
3)アクトリするときは、加圧前に。
4)味は余熱でしみこませる、又は加圧後に水分を煮詰めてととのえる。
5)材料は全て水分に浸かっていなくても圧力で均等に煮えるが、空炊き防止のため最低200mlは水分を加える。
6)落としぶたをするときは蒸気口をふさがないよう、紙ではなく金属性のものを。(特に豆は加圧中におどって皮がはがれやすいのでおとしぶたをする。)
7)材料は、鍋の容量の2/3まで。(豆は1/3まで)
8)ふきこぼれ防止のため、片栗粉やカレーのルウなどとろみがつくものは加圧後に加える。重曹など泡立つものは加えない。
等 気をつけるとおいしくできます。(参考:NHKきょうのお料理)
さて、“どちらのメーカーの圧力鍋がおすすめですか?”とよく聞かれるのですが、最高級のブランドはドイツ製のFissler社やWMF社等、もう少しお値段的に優しいのはT-fal社でしょうか。日本で買うよりも安く手に入れられ、帰国後パッキンの購入にも困りません。サイズは私は6Lのを重宝しています。
では今月は駅弁で人気の“いかめし”を作りましょう!
いかCalamari(頭が15-17cm長さの肉厚でないもの)3杯は皮をむいて足と内臓を抜き中をきれいに洗います。洗ったもち米1合+みじん切りした人参30g+小口切りしたスプリングオニオン1本+みじん切りのしょうが小1片分にしょうゆとみりん(なければ酒で代用可)各小さじ2を混ぜ合わせ、それをスプーンでいかに詰めてようじでとめます。(詰めすぎると後でパンクするので、8割程度に。)圧力鍋の底にベーキングペーパーを敷いて(焦げ付き防止)、煮汁(しょうゆと酒各大さじ3、砂糖大さじ2、みりん大さじ1、水300ml+化学調味料無添加のだしのもと小さじ1)を入れ、スタッフィングしたイカと足を並べ入れ、フタをし強火にかけます。圧力がかかれば極弱火にして15分加圧、自然に冷まして圧力を抜き、フタを開けて煮汁をにつめれば出来上がり。イカが柔らかくなりもち米にも味がしみておいしいですよ〜。
写真1)
我が家の圧力鍋です。初代はバタフライ社製を長年愛用していましたが、輸入代理店がなくなってパッキンの入手が困難になり、スイスのKhun Rikon社製に変えました。